電話をとった当初は、ものすごい剣幕で怒っていたにもかかわらず、上司に代わったとたん、それまでの勢いはなりを潜め、それなりに話せる状態になっていることはよくあります。
このようにクレームは、対応する人を買えただけで、その勢いが弱まることがあります。
クレームを言ってくる人は、あなたの会社のサービスを使って期待する結果が得られなかったために、頭にきて電話をかけてきています。
その怒りは、そのサービスに関わりのある人にぶつけなければ気がすみません。
そこで電話をかけて、誰でもいいので電話に出た人にいきなり怒りをぶつけるのです。
運悪く、あなたがその電話をとってしまったのであれば、あなたが最後まで、もしくはある程度まで対処するしかありません。
人を変えるというのは、電話を受けたら次の人に回すことです。
先ほど、人を変えただけでも怒りの勢いはおさまると述べましたが、その変え方にはポイントがあります。
やってはいけないことは、相手を更に怒らせたうえで、手に負えなくなって他の人に代わってもらう、というやり方です。
また、自分は担当ではないので他の人に代わってしかうのも、まだ相手が怒りを出し切っていないので、人を変えても相手の怒りは収まりません。
相手の怒りを弱めるためには、ある程度、相手に怒りを吐き出させなければなりません。
そのために電話を受けてしまったあなたは、その怒りを受け止める必要があります。
このときは、相手は怒り心頭に達していることが多いので、理不尽な物言いをしてくることもあります。
それでも反論をせずに、まずは相手の言い分をすべて聞きましょう。
そして、相手に負担を書けないような解決策を示します。
相手が何かしようとしているのにうまくいかない、というのであれば、すべてこちらで処理する、というように、相手がそもそも成し遂げたかったことをできるようにします。
もちろん、この間に「申し訳ありませんでした」と謝ることも忘れてはいけません。
また、相手が言っていることに対しては「ごもっともです」「おっしゃるとおりです」と同意をすると、相手の気分がよくなります。
また、相手がこちらに何か情報を与えようとしたときには、「勉強になります」という言葉も効果的です。
金銭的な問題など、自分の判断だけでは決められないことであれば、上司の判断に任せる必要があります。
そのときは電話を上司と代わりましょう。
もし上司がいなければ、折り返し連絡をする旨を伝えて、一旦電話を切ります。
このとき、いつ頃にかけなおすのか、大体の時間で構わないので伝えておきましょう。
伝えておかないと「いつまで待っても連絡がなかった」とさらにクレームを増やしてしまいます。
とにかく、このように金銭的な要求をされることは、クレーム電話では割とあります。
そういった場合、どのように対処するのか、予め社内で話し合って決めておくといいでしょう。
このようにクレーム電話を受けた時には、まずそのクレームを受け切りましょう。
相手が怒りを出し切っていなければ、同じことを何度も行ってきます。
それについても辛抱強く受け止めましょう。
そして、解決策を示してほしそうにしてきたときに、丁寧に解決策を示します。
これをすべて一人でできれば上出来なのですが、それが難しいと思った時には、相手の怒りを一旦受け止めて謝罪をし、そのあとに他の人にクレーム電話の対応をお願いしましょう。
他の人に電話を回すときは、経過を詳しく教えましょう。
そうしなければ、また同じことをお客様に言わせることになり、それについても怒りを生み出すことにもなりかねません。
こうした電話のまわし方ができれば、次の人が対応するときには、相手の怒りが大分怒りがおさまった状態になっているので、クレーム処理がスムーズに進みます。