人は「滅多に手に入らない」、「期間限定」というような言葉に弱いものです。
あるものが手に入りにくい状況にあると、「今手に入れておかないと後悔するかもしれない」という焦燥感にかられて、ほしくなってしまうのです。
また、似たような手法に「おまけをつける」というものもあります。
あるものを手に入れると、それ以外のものがおまけとしてついてくる、というものです。
つまり、そのものだけならば特に興味を引くことはなかったのに、更に別のものをもらえるとわかれば、「それならば買おうか」と心を動かされてしまいます。
「今なら購入するともう一つついてくる」
というような宣伝をしている通販番組を観たことはないでしょうか。
同じものが2つで1つ分の値段だと思えば、それはかなりお得感があります。
このほかにも、「購入したら様々なアタッチメントがついてくる」とか、「購入したら引き取り無料」というのも似たような手法です。
限定品であるにも関わらず、他の場所でも容易に手に入れられるのでは意味がありません。
わざわざそこで買う理由はなくなるし、放っておけばそのうち中古品や型落ち品が出てくるとわかっていれば、手を出す人はいないでしょう。
希少価値を示すのであれば、それが滅多に手に入らないことが判明していなければなりません(または、そう思わせなければなりません)。
期間限定にするのであれば、それは長期にわたるものではなく、せいぜい1カ月程度で終わってしまうようにしておき、「今すぐにいかなければ終わってしまう」という焦燥感を煽ります。
「今なら購入すれば、○○がついてくる」といううたい文句で購入を促す場合、一つあれば十分なのに、同じものをもう一つつけようとしても、それには魅力を感じられません。
また、その商品を全く関連のないものをおまけにつけてしまうと、興味を引きにくくなります。
同じものをもう一つつける場合には、そもそも商品が消耗品であるか、二つあっても困らないものであることが前提条件です。
また、おまけをつけるのであれば、その商品に関連したオプションにすると、その商品の利便性を高めることになり、宣伝効果が高まります。
抱き合わせ販売などをする場合、抱き合わせている品物がよさそうなものであっても、それを手に入れるときに支払う代償が高すぎては、そもそも興味を持ってもらえません。
例えば、購入すればいろんなオプションがついてきて、便利になりそうな商品があったとしても、そもそも価格が10万円もしたら、それに手を出せる人は減ります。
これが1万円という設定であれば「1万円ならば手が届く」と考える人が増えるでしょう。
このように、希少価値のテクニックを用いる場合には、大きな要求を相手にすることは難しいので、比較的小さい要求をするようにしなければなりません。
希少価値やおまけの心理テクニックに惑わされないためには、手に入れようとしているものを、あなたが本当に必要としているのか考えましょう。
同じようなものでもっと便利なものやもっと安いものがないか調べましょう。
また、「期間限定もの」である場合、期間が限定されていなかったら、ほしいと思うでしょうか。
おまけがついているのであれば、おまけがなければ、ほしいと思うでしょうか。
このように、まず、そのものの希少価値を高めているものは何か、購買意欲を高めているものは何かを分析してみましょう。
そして、それは必要不可欠なものであるのか考えれば、要不要が見えてきます。
要不要を判断できれば、希少価値のテクニックに惑わされることはなくなります。
何事も本質を見るようにしましょう。