ホーム社内での立居振舞術プレゼンテーションをそつなくこなせ!
社内での自分の処し方を考えることは、無難にストレスなく社会人として過ごすためには必要不可欠なことです。しかし、今回はむしろ仕事や対外的な側面が強い、プレゼンテーションについて考えます。
ここでいうプレゼンテーションとは、「他人に対し何かを説明し理解してもらう」ことと定義します。
商品の売り込み、自己紹介、企画立案など、様々な場面においてプレゼンする機会はあります。
会社から外に出て人と接する機会のない事務作業に従事している場合は、そういった訓練もしていない人は多いのではないでしょうか。
私もその一人でした。
しかし、ずっとそのままプレゼンをしないで過ごせるほど、社会人生活は甘いものではありません。
あなたが歳を重ねていけば、どこかの時点で人前で発表しなければならない場面がやってきます。
年齢や社歴が長い人はそれなりに頼られますし、人前で話すことができて当たり前だと思われています。
また、社内であればまだしも、社外の人に対して発表しなければならないこともあります。
そういう場面でうまく話をすることができなければ、あなたの能力や人格を疑われ「使えない人」というレッテルを貼られることになりかねません。
それでも構わないという人はいいのですが、当ウェブサイトでは、自分の評価を下げず、何でもそれなりにそつなくこなせる人を目指しています。
人前で話すというテーマは、得意な人と苦手な人とで大きく分かれる分野です。
そこで、今回は苦手な人に焦点を当て、人前でプレゼンする時に恥ずかしくないように振る舞うコツを考えます。
私が人前で話す時に、自分の話し方のつたなさについて「これはまずいな」と意識したのは、外部の人と話をしたときです。
社内の人に話すのであれば、臆せずに話ができたり、多少拙くても気にしなかったり、ということはよくあることです。
しかし、社外の人や何かのコミュニティで知り合った人と話す、という場面で、自分がうまく話せないことに、危機感を覚えました。
知っている人であれば、うまくできなくても開き直れるのですが、こちらのことをまったく知らない人と接する場面では、うまく話ができなければ、相手に「この人は大したことないな」と思われてしまいます。
そうなると、その場面においては「この人を相手にしても仕方がない」という空気ができあがってしまい、仕事も人間関係もまわらなくなってしまいます。
このように危機感を感じることはとても大事なことです。
問題意識が芽生えれば、何とかして解決しようともがくものです。
そこで、私の場合、一番最初に思いついた解決策は、「プレゼンのうまい人を参考にすること」でした。
どこのグループにも、「話のうまい人」は存在します。
そういう話のうまい人を見つけたら、その人がどのように話をしているのか観察しましょう。
観察するポイントは、「話し方」と「話す内容」の2つです。
話し方で見ておくことは、声のトーン、話すスピード、話の合い間に出てくるフレーズ、などです。
まず声のトーンです。うまい人は、静かでも人の耳に聞こえる音量を出しています。
普段自分が話をしていて、何度も聞き返されているようならば、それはあなたの音量が小さいということです。
次に、話すスピードです。
うまい人は、スピードは割とゆっくり目に話します。
そのことで落ち着きがあり、安定感があると相手に思わせることができるのです。
こちらの言っていることを相手に浸透させる効果もあります。
最後に、話の合い間に出てくるフレーズです。
これは、ある程度話をしておいて、次の話題に移るときに使うフレーズのことです。
ある話から、別の話に移行するときに、うまくつなげずにグダグダになることはよくあります。
しかし、話のうまい人は、「はい」とか「さて」というような区切りをつけるフレーズや、絶妙な間合いを持っています。
こういったことに気をつけるだけでも、あなたの雰囲気はガラッと変わります。
話のうまい人を見ていて気づくことは、たいてい、何も見ないでスラスラと話をしている、ということです。
何か書いたものを見ているとしても、メモ帳にほんの少しテーマを書いていて、それをみるだけであとは堂々と前を見て話していることが多いのです。
それでいて、話に漏れがありません。
話のうまくない人は、3つ話したいことがあったとしても、2つまでしか話せず、最後の1つを忘れてしまいます。
最後の1つは終わった後に思い出すのです。
つまり、話のうまい人は、自分が何を主張したいのかということが、しっかりと頭に入っているということです。
これは普段からそういうことに関して問題意識を持っているから、という場合と、何度も繰り返し練習をしたから、という場合があります。
人前で緊張しないで話をすることができる人は、いいたいことを空で覚えていられます。
また、しっかりと考えがまとまっている人は、アドリブにも強いものです。
では、緊張してしまう人はできないのかといえば、そういうこともありません。
忘れないように何度も繰り返すなどの準備を怠らなければ、それなりのレベルに持っていくことができます。
さて、ここまで話のうまい人を観察してきました。
このように周りを観察していると、プレゼンがうまいと思った人には、「話がうまい人」と「話がうまそうに話す人」の2種類がいることに気づきました。
プレゼンのうまくない人が、まず目指すところは、この「話がうまそうに話す人」です。
「話がうまそうに話す人」は、よくよく話を聞いてみると、内容はまとまりがなく、同じことを繰り返したり話が前後したりして、結局なにが言いたかったのかわからないこともあります。
それでいて、何となく周りの人は納得させられてしまったような気になるのです。
それはなぜかというと、ポイントはただ一つ、「堂々と話している」からです。
人は堂々としている人に対して、信頼感を持つものです。
この人に任せておけば大丈夫そうだ、と。
だから話す内容が酷くても、堂々としているというだけで、正しいことを言っているような錯覚に陥るのです。
もちろん中身が伴っていないのですから、見破る人もいます。
ですから、「話がうまそうに話す人」を最終目標にしてはいけません。
しかし、いきなり最初から「話のうまい人」をめざすのはハードルが高すぎます。
そこで、プレゼンがうまくない人が最初に目指すのは、「話がうまそうに話す人」の「堂々とした態度」を身につけることです。
では堂々とした態度とは、どういうものを言うのでしょうか。
前述した「話し方のポイント」の通りに振る舞うことができるのが、最もいいのですが、いきなりそれを真似することはかなり難しいものです。
そして、「話がうまそうに話す人」が実践していることは、「大きい声で堂々と話す」とこだけです。
よく聞いていれば、結構早口で話しているし、つまったり、どもったり、間違えたりしています。
しかし、それでも大きい声で話すだけで、それらのマイナスポイントは半ばチャラになります。
ですから、最初はとにかく大きな声で話すことを心がけてみましょう。
大きい声で話すことができるようになったら、次に話すスピードを遅くして話すようにしてみましょう。
こうすることで、さらに堂々としている印象を相手に与えることができます。
このように、一つずつ段階を追って練習していきましょう。
一点、「話がうまそうに話す人」に見習ってはいけない点があります。
それは、長々と話すことです。
「話がうまそうに話す人」の中には、延々としゃべり続ける人がいます。
同じことを繰り返すのは最悪ですが、一つも同じことは言っていないにも関わらず、ダラダラと話し続けることができる人もいます。
こういう人の話は、聞いている側もだんだんイライラしてきます。
「何を話しているのかよくわからないな」と気づいてしまいます。
そして、飽きてしまい、眠ってしまいます。
こうなってしまうと全く記憶に残りません。
なにしろ寝ているのですから。
話をするときは、短めの文章で、一文一文を区切って話すことが重要です。
さて、話のうまい人は自分の考えが頭の中に入っているので、何も見ずにアドリブも織り交ぜながら、うまく話を組み立てることができます。
しかし、話のうまくない人に、それを最初からやらせようとしても、できないでしょう。
そこで、わたしたちがすることは、事前に入念な準備をすることです。
プレゼンということは、こちらが発信する側になるわけですから、事前に何について話をするのかのテーマも、どこまで話すかという範囲も設定できます。
まずはレジュメをつくりましょう。
レジュメは配ってもいいし、配らなくても構いません。
メモ帳などを出して、テーマを書きます。
次に、何について話をするのか、章立てをしてみましょう。
それから肉付けをしていきます。
この作業中に、別の章が必要になれば、それを付け加えていけばいいのです。
もしレジュメを配るのであれば、配布用には、「テーマ、章立て、内容の箇条書き」程度で構いません。
自分用には、それに加え、きちんと何を話すのか細かいところまで書きこんだものを用意しましょう。
こうしておけば話す内容を忘れることはありません。
まずはこれが基本です。
レジュメが一応完成したら、次にやることは、レジュメの精査です。
ダラダラと長すぎないか、不必要なことまで言及していないか、を確認します。
また、時間制限がある場合には、その時間内に収まる内容であるかも、実際に話してみて測ってみましょう。
長ければどこかを削除しなければなりません。
さて、プレゼンテーションは何もレジュメだけで進めるものではありません。
あなたの話術が巧みで相手を飽きさせないような、面白い話ができるという自信があるのであれば、これ以上の準備は必要ありません。
しかし、相手に本当に理解してもらえるのか、最後まで聞いてもらえるか心配であるならば、さらに準備をしておきましょう。
それが「道具」を使った準備です。
コンピュータでプロジェクタに映すのでも、現物でも構いません。
魅力的なコンテンツになるようなものを持ってきて、プレゼンするときに見せるのです。
ときには、回覧して触ってもらったり、一緒に操作してもらったりして、「聞く」だけでなく「体験」させましょう。
ただ漫然と聞き流しているよりも、何か動作を伴った方が記憶にとどめやすくなります。
そして、プレゼンする内容に絡めた情報(主にあなたの仕事内容)には、精通していなければなりません。
プレゼンに関わり、あなたの仕事内容にも触れる可能性があるからです。
例えば質問を受けたときに、あなたが自分の仕事に精通していれば、その場でさっと答えることができます。
そして、それは相手に安心感を持たせます。
プレゼンに限りませんが、何か質問をして明確な答えが返ってこないと、人は不信感を抱きます。
その結果、「この人の話は聞いても意味がなさそうだ」と思われてしまうかもしれません。
レジュメや道具の準備ができたら、最終的には話す練習をしてみましょう。
忌憚のない意見を述べられる、誰かに見てもらうのが一番よいのですが、自ら録画して、終わった後に見るということでも構いません。
確認するポイントは以下の4つです。
こうした準備を万端にしてプレゼンに臨めば、まったく何も対策をしないで臨むよりもはるかに良い結果を生むことができるでしょう。
プレゼンは回数を重ねることで自信がつき、人前で話してもものおじすることがなくなっていきます。
まずは場数を踏みましょう。