ホーム社内での立居振舞術誰からも一目置かれるスペシャリストを目指せ!
会社に入ったら、まずあなたは何をしますか?
「この会社を自分の力で変えてやろう」なんて、大それたことを、大して仕事を覚えていないうちから考える人は、あまりいません。
新卒の中には、そういった考えを持って、入ってくる人もいます。
彼らの多くは、まだ何の仕事の知識も持ち合わせていません。
先輩社員からしてみれば、これから一緒に働く上で、扱いやすい人なのか、扱いづらい人なのか、一方で期待しつつ、他方で恐れていもいる存在なのです。
新卒(または新入社員)であるあなたが、最初から、「この会社はおかしい。わたしの考えが正しい」などと言っていたら、あなたはいつまでたっても溶け込むことができません。
溶け込むことができなければ、仕事を任されることもないでしょう。
仕事を任されないということは、使えないということです。
使えないし、周りの人とも人間関係も築けないような人を部署にとどめておく理由はありません。
つまりいつでも異動対象になりうるということです。
それはあなたが望んでいることではありません。
このサイトを見ている人ならば、なりたい社会人像は「平穏無事」の4文字でしょう。平穏無事な社会人生活とは、自分のペースを乱されることなく、他の人から攻撃もあまりされず、上司からも目をつけられず、職場を転々とすることもなく、自分の気に入った場所で仕事を続けられる、ということです。
そのためには、あなたは一目置かれる存在になる必要があります。
あなたが文句ばかり言って仕事をしなかったり、黙々と仕事をする人だったとしても特にこれと言っていいところがなければ、軽くみられてしまいます。
ですから、あなたは「この部署にいなくては困る」人になるべきなのです。
いなくて困る存在になるには、その部署においてスペシャリストになることです。
スペシャリストになるには、まずその部署の仕事に精通しなければなりません。
以下にスペシャリストになる6か条を挙げておきます。
スペシャリストになるための、基本中の基本、それは与えられた仕事をきちんとこなすことです。
まず、配属されたときにあなたの仕事が提示されるはずです。
割り当てられた仕事をミスなくこなせるようになることが、第一です。
これができなければ「あの人はよくミスをするので信頼できない」と思われて、いつまでたっても信用してもらえません。
まずはミスをなくしましょう。
また、「仕事を完璧にこなす」という言葉の意味は、言われたとおりに返すだけでは不十分です。
最初のうちはそれでも構いませんが、慣れてきたのであれば、その先を考えて仕事をしてみましょう。
つまり、仕事に自分の考えをプラスするのです。
「もしかしたら、こうした方が喜んでくれるのではないか」という観点で、一つ上の仕事をしてみましょう。
あなたが完成した仕事が、誰かの仕事に影響していることがあります。
そういう人に対して、より使いやすいものを提供するということです。
自分が楽になるからという考えだけでやり方を変えてしまうと、他の人の迷惑になることがあるので注意しましょう。
わからなくて質問をするときにも、ただ「わからないので教えてください」と聞くのではなく、「わたしはこうしようと思うのですが、合っていますか?」というように、一旦自分で考えたものを出して、それとの比較をするようにしましょう。
こうすることで、自分で考える力が養われます。
あなたはその部署に配属されたばかりの、いわば下っ端です。
下っ端の仕事といえば、雑用と相場が決まっています。
雑用の基本は電話受けです。
でも、よくわからない質問をされるかもしれないので、なるべく電話は取りたくないと思うかもしれません。
分かっている人が処理してくれるのが合理的なので、電話が鳴っていてもしばらく放っておいてベテラン社員にとらせればいい、自分が取る必要はない、と。
この考えには2つの間違いがあります。
1つ目は、よくわからないことを放っておいたら、いつまでたってもわからないままでしかいない、ということです。
わからないから電話を取らないのではなく、わからないからこそ電話を取るのです。
どのような質問が来るものなのか、ということから、あなたの配属されている部署の仕事が見えてきます。
電話に答えられなければ、周りの人に聞きましょう。
そして、「この場合には、このように答える」という知識を蓄積していきましょう。
2つ目は、あなたの立場は偉くないのですから、誰かにやらせようという発想自体がおかしい、ということです。
ベテラン社員になればなるほど、雑用に時間を取られるのを嫌がります。
雑用意外に重要な仕事をたくさん抱えているからです。
それに比べて、あなたはまだ雑用程度しかできることがないレベルにいます。
それならば、雑用も率先して引き受けましょう。
それが、ベテラン社員の仕事の手助けにもなります。
また、率先して雑用をこなすことで、なんとなくその部署全体が見渡せるようになってきます。
ですから、雑用も漫然とやるのではなく、きちんとその部署を知るつもりでやることです。
何事も目的意識を持ちましょう。
「よく気が付く人」とは、きめ細かい人、という意味です。
自分の仕事に、きめ細かく深く接するようにすると、ミスが減っていきます。
たとえばコピーを頼まれたとして、ただコピーするだけなのと、コピーした書類の帳合を取ってから渡すのとでは、受け取った人の使いやすさが違います。
このように、与えられた仕事をただこなすだけでなく、更に何をしたらいいだろうか、普通はどうするものか、ということを考えながら行動しましょう。
仕事をする上で、わからないことがあれば、当然周りの人に聞きます。
そのあと、あなたはどうしますか?
1度教えてもらったことは、2度は聞かないことを心がけましょう。
教えてもらったことは、きちんとメモしたり、ファイルしたり、コンピュータに記録したりして、マニュアル化していきましょう。
その部署の仕事を覚えるのであれば、こうやってマニュアルを増やしていくことです。
これを継続していくと、仕事の方法が蓄積されていきます。
一度聞いたことはマニュアル化してあるので、次に聞くことは新しい仕事だけになります。
不足があれば修正していきます。
こうして精度の高いマニュアルを作っていくと、引き継ぎをするときにもそのマニュアルを渡せばいいだけなので、手間を省けます。
その日にやった仕事は記録しておきましょう。
ノートにとってもいいし、コンピュータに残してもいいでしょう。
何月何日、何をしたか、自分だけの日報をつけていくのです。
この日報には、日付のほか、相手がいればその人の名前、取引先なら会社名と連絡先、仕事内容を書いておきます。
この記録は漠然としたものではなく、明確に誰と何をしたかを書いておきます。
商品名などの固有名詞も書いておきます。
こうしておくと、あとで読み返したときにすぐに理解できます。
詳しいことを書いておかないと、「やった」という事実は残っても、詳細を確認することができなくなってしまいます。
コンピュータで記録しておけば、検索機能を使って会社の電話番号や住所を調べることもできるし、仕事の経過を追っていくこともできます。
また、日報を書くだけでなく、先のこと(=スケジュール)をつけていくことも大事です。
あの件はいつやるのか、ということをスケジュール帳につけたり、それがなければカレンダーにつけたりしてもいいでしょう。
このように、未来と過去の記録をつけることで、ミスが減っていきます。
以上のようなことを繰り返していくうちに、仕事を覚えることができることに加え、新たに自分の考えをプラスして、仕事を洗練していくことができるようになります。
そして、それこそがあなたがプロフェッショナル化する、ということなのです。
あなたがプロフェッショナルになりつつあるかどうかは、同僚から仕事のやり方について質問を受けるかどうか、です。
今まで質問をする側だったあなたが、質問を受ける側になった時、それはあなたが一歩、仕事に精通したことを意味します。
勘違いしてはいけないのは、他の部署の人からの質問ではなく、同僚から、という点です。
他の部署はあなたが担当だと聞けば、あなたの習熟度に関わらず質問をしてきます。
それに対し、同僚であれば、あなたの習熟度が高いか否かを知っているので、習熟度が低いうちは質問などはしてきません。
以上の6か条以外にも、対人関係に強かったり、上司に逆らわない人であったり、ということもプロフェッショナルに重要なファクターではありますが、対人関係があまり得意でない人であっても、このような6か条を実践することは可能です。
こうして、あらゆることを聞かれるようになれば、あなたは間違いなく、その部署において「いなければ困る人」の称号を得ることができるでしょう。