経営者、従業員に関わらず、会社に勤める人たちは皆、誰かの噂話が大好きです。
時にはその噂話が致命的なダメージを相手に与えることもあります。
特に、中小企業のような人数が少なく、公平な判断をできる人も少ない状況では、そのような噂話が起こる可能性があります。
こういった噂の伝播しやすい会社では、数名の声の大きい人によって、理不尽に仕事が運営されています。
仕事は本来、筋道を立てて、部署と部署のトップの合意があって、それが部下に降りてくる、という流れでするものです。
それが、ある部署のトップが間を飛ばして直接別の部署の課員に話を持っていくと、頼まれた課員は相手の役職が高いために、無下に断ることもできず、かといって引き受けたら自分たちの上司からは「そんな話は聞いていない」と突っぱねられ、板挟みになってしまいます。
こういったことは、中小企業では当たり前のように行われていることです。
噂をされにくい人、うわさをされやすい人には、一定のパターンがあります。
噂をされにくい人とは、社内の多くの人とよく話し、良好な人間関係を築いている人です。
そして、うわさをされやすい人は、その反対に、あまり人と話さず、何を考えているのかわからないと思われがちな人です。
このほか、噂好きな人と仲良く話せる関係を築いている人は、あまり噂をされにくい立場にあります。
また、噂話は好きではないけれど、皆と仲良くする友好的な人もいます。
そういう人と仲良くなっておくと、誰かがあなたの噂話をしたとしても、「そんなことはない」と否定してくれます。
皆から一目置かれている人と仲良くしている場合も、同様に否定してくれます。
噂をされやすい人は、周りの人と仲良く話さない人であったり、理不尽な行動をとる人であったり、一癖ある人が大半です。
しかし、そのような一癖ある人というのは、そもそも噂されていようといまいと関係ありません。
彼らは噂話をいちいち気にしたりしていません。
そもそも最初から「変わっている人」と認識されているし、人と仲良くする気もないので、噂されていたとしても意に介さないのです。
しかし、普通に仕事をして、それなりに人間関係を築いて、平穏な日常を過ごしたいと思っている人の中にも、噂話の対象となってしまう人がいます。
それは、悪意のある第三者と対立した場合です。
誰かと対立した場合、相手があなたを打ち負かしたいと思ったら、直接対決はリスクが高いので、手始めに、最も簡単な手段である「噂話」に手をつけるかもしれません。
多くの場合、その噂話には根も葉もないものが混じっています。
そして、多くの人は、その噂話を聞くと、本人には確認せずに信用してしまいます。
やがて、面と向かっては何も言いませんが、陰であなたのことを嫌うようになっていきます。
この噂話を、人事権のある人が信じたらどうなるでしょうか。
あなたは、仕事の担当を外されたり、別の部署に異動になるかもしれません。
一番行きたくないと思っている部署に、わざと配置させられてしまう可能性もあります。
このような状況を回避するには、あなたが「そのポジションにいなくては困る」と、人事権をもつ人に思わせることです。
また、普段から、どんなに気に入らないと思っていても、上司やその上の人と良好な関係を築いておくことも、あなたの身を守る最良の手段になりえます。
噂話を信じたとしても、異動させることができないのであれば、手の出しようがありません。
それどころか、あなたに上の人とのつながりがあるとわかれば、反撃されるかもしれません。
そのようなリスクを負うよりは、噂話で攻撃しない方がはるかに安全というものです。
また、社内には必ず一人ではなく、複数の噂話好きがいます。
彼らのうち、誰か一人を味方につけておきましょう。
味方につけるとは、仲良く話をする関係ということです。
噂話が好きな人は、一方的な話よりも、こじれている話を好みます。
だから、ある噂が広まっていると気付いたら、仲の良い噂話好きの人に、反論を吹き込むのです。
その反論は、主観的よりも客観的な視点にたって批判している内容であればあるほど、信憑性が増します。
例えば、「あの人がわたしに酷いことをした」という話よりも、「あの人が第三者に対して酷いことをした」という話の方が信じられやすいのです。
あなたの話を盛り込むのであれば、「あの人が第三者に対して酷いことをした。
そのとばっちりで、わたしも酷いことをされている」という形がベスト、ということになります。
悪意を持って噂話を流すような人は、あなただけでなく、過去に幾らでも同じような噂話を流している可能性があります。
探せばいくつか見つかるでしょう。
もし、あなたに一人でも仲良くしている人が社内にいるのであれば、その人を通じて客観的な視点で、「あの人が第三者に酷いことをしている」と、噂好きの人に話してもらうことも有効な手段です。