ホーム自分が楽になる社員教育術ほめて伸びるタイプ?叱られて伸びるタイプ?
後輩社員を教育するときに、誰であっても同じ態度で接すればいいかというと、そうではありません。
人間的な側面が関わってくるので、人によっては細かく口を出さなくても先輩社員の振る舞いを見るだけで覚える人もいれば、一から教えたり何度も同じことを教えたりしなければできない人もいます。
同じように、人にはほめることによって伸びるタイプと、叱られることによって伸びるタイプがいます。
今回は、このほめて伸びるタイプか、叱られて延びるタイプかによって教育の仕方が変わる、という話です。
ほめてのびるタイプの人に、叱りすぎるとモチベーションを下げてしまいます。
やる気をなくし、自信を無くし、仕事のパフォーマンスは落ちて、常に人の顔色を窺って指示を待つようになり、自分では考えなくなってしまいます。
最悪の場合、辞めてしまうかもしれません。
また、叱られてのびるタイプの人に、褒めてばかりいると、「これでいいのか」と思い込み、今の実力以上に努力して力を伸ばそうとしなくなります。
問題があっても褒められているのだから問題ないだろうと、問題部分を反省したり改善したりしなくなります。
こういう人は、やがてわがままになり、仕事も大してしないのに、残業代をもらおうとしてくるような問題社員に化けてしまいます。
人には様々なタイプがあるので、一概にいうことはできませんが、傾向として、どちらの指導法を色濃くした方がいいのか、ということは把握しておく必要があります。
間違えた指導をしてしまうと、そのまま中堅社員として成長していってしまうので、気づいたときには修正が効かない状態になっています。
ほめて伸びるタイプは、直感で行動するような天才型の人に多く見られます。
こういうタイプを叱りつけると、モチベーションを下げてしまい、もっと自分の働きやすい環境があるのではないかと他の会社に居場所を求めるようになったり、会社にはとどまるけれども、自分の考え方こそが正しいのだと反発をしてまったくいうことを利かなくなってしまったりします。
彼らには、ダメなところを改善させるよりも、良いところを伸ばして、その力が発揮できる仕事を任せるようにしましょう。
直感タイプ・天才タイプは、できないものはできないものとして諦めるか、手取り足取り面倒を見てあげるしかありません。
しかし、いいところを伸ばしていけば、どんどん伸びていき、エキスパートとなる資質を持っています。
叱られて延びるタイプは、まじめな人が多く、コツコツと努力する人によく見られる傾向です。
直感で行動するのではなく、理論的に行動し、自分の行動に対し責任感を持ち、常に反省して改善しようと努力しています。
こういう人は、褒めてあげたいと思うかもしれませんが、「もっと上、もっと上」と、自分のパフォーマンスを挙げることを望んでおり、それは「こうした方がよい」と注意やアドバイスを受けることで達成できると考えています。
もちろん、ある程度は褒めることも必要ですが必要以上に褒めすぎると満足してしまい、それ以上伸びなくなることがあります。
自分を厳しく律する人は、一度自分を甘やかせることに慣れてしまうと、再び自分を厳しく律することはしません。
ほめて伸びるタイプの人は、何かできたら必ず褒めてあげましょう。
このタイプに限らず、できたときは褒めるのが手即ですが、このタイプの人には、ことさら良く褒めましょう。
褒め方も本人に直接言うのが一番いいでしょう。
皆が聞いている前で褒めることもいいでしょう。
ただし、皆の前で褒めすぎると、それに嫉妬して快く思わない人も現れるので、ほどほどにしておきましょう。
ほめて伸びるタイプは、叱るとモチベーションを下げます。
これは教育側としては困った問題です。
ですから、彼らには過ちを反省して次に生かすということが難しい側面があります。
むしろ、良いところを伸ばすという使い方がいいでしょう。
おだててのせた方がよく動く、ということです。
叱られて伸びるタイプは、仕事にまじめに取り組む努力型です。
彼らには、よくないことやおかしいことがあれば、論理的に注意しましょう。
その注意の内容が、納得いくものであれば、素直に反省して次に生かそうとします。
かといって、叱ってばかりで褒めなくていいかというと、そういうわけでもありません。
よくやれたときには、褒めることも忘れてはいけません。叱られて伸びるタイプは、褒められると嬉しく思う反面、気が緩んでミスを起こしやすくなります。
褒め方も、手放しに喜んで褒めるのではなく、どこがどうよかったのか、わかるようにきちんと褒めると効果的です。
以上、褒められて伸びるタイプと叱られて伸びるタイプの特徴を述べてきました。
とはいえ、どちらにしても、褒めるだけ、叱るだけではいけません。
そういうことが認められるのは学生のときまでです。
社会人となったのであれば、褒めることもあれば叱ることも必要になります。
要は、どちらの方に重きを置いた方がよりモチベーションを高めるかということです。