ホーム気に入られる営業活動術社内の人からの口利きで面談する場合
取引先に友人がいて、その人のつてで営業する機会が得られることがたまにあります。
電話でのアポイントを取るよりも、遥かに楽に会うことができます。
また、相手も社内の人から頼まれて会うわけなので、横柄な態度で接することはあまりないでしょう。
このような機会は滅多にないことですが、あれば千載一遇のチャンスといえるかもしれません。
しかし、だからといって簡単に契約ができるかというと、そういうわけでもありません。
もし、口利きしてくれた人がそれなりの地位にいる人であれば、契約の可能性も高いのですが、あなたと先方の担当者を引き合わせただけだとすると、決定権を持っていないので契約につなげるのはかなり難しくなります。
ですから、会う場合には事前の情報収集を、紹介者であるあなたの友人から、きめ細かくしておく必要があります。
なぜ会えるようになったのか、その経緯を聞き出しましょう。
もし、喫緊で必要なものがあるという話から発展したのであれば、十分にチャンスがあると言えます。
しかし、そうではなく特に困っていないのに、友人の計らいで会えるようになった場合には、先方の担当者は「無理やり会わされている」と思っている可能性もあります。
この場合には、会うには会ってもらえるけれど、それ以上には発展しません。
紹介をしてくれた友人が、会社でどのような立場にいるのか確認しましょう。
かなり地位が高い場合には、口利きが有効になる可能性が高くなります。
しかし、地位が高くても社内で軽んじられている人はよくいます。
また、その人が紹介しようとしている人が別の部署の人である場合、相手にしてもらえないこともあります。
友人の方が先方の担当者よりも、社歴が浅いような場合には、幾ら地位が高くても担当者の方が立場が上であることもあります。
そういった場合には、仕方なく会っているけれど、アラを見つけて断ろうと考えているかもしれません。
口利きをしてくれたあなたの友人と、あなたが会うことになっている先方の担当者の関係を聞いてみましょう。
どちらの方が入社が先か、どんな人か、友人との関係は良好か、いつも一緒に仕事をしている関係かたまに仕事をする関係か、担当者の人の仕事を把握しているか…などなど。
もしあまり関係が深そうでなければ、期待はできません。
担当者の人は、無理やり会わされているけれど、わざわざあなたと取引をしようとまでは思っていません。
形式的に会うだけで、その後は特に連絡を取ろうとしないでしょう。
ただし、本当にあなたが持っていく商材が、その会社にとって必要なものであり、しかも価格が安いというようなアドバンテージを持ったものであれば、優先的に考えてくれるチャンスはあります。
さて、無事に先方の担当者と引き合わせてもらって話をすることができたならば、そのときに、色々と話を聞いておきましょう。
もし、あなたの友人が、その担当者とはまったく別の部署に所属しており、ただ口を利いただけならば、同席することはないでしょう。
そういった場合には、今回の経緯を自分の方からも説明するのは当然として、相手はそれについてどう思っているのかも聞き出しておきましょう。
つまり、本当に需要があるのか、ただ友人の顔を立てて会っているだけなのか、それを知ることです。
本当に需要があるならば、あとは商品がその需要にマッチしているか、そして価格交渉ということになるでしょう。
もし需要がない場合には「今後何かあればお声掛けを…」という形式的なもので終わらざるを得ません。
残念ながらあなたに営業力や、あなたの会社の商品力がなければ、幾ら友人の手引きだったとしても、簡単に取引できるとは限りません。
商品力には、そのときその会社で本当に求められているものであるか、ということが大きく関わってきます。
ですから、幾らいい商品だったとしても、需要がなければ諦めるしかありません。
簡単に取引できる場合とは、その友人自体が決定権者である場合です。
そうでなければ、やはり地道な努力をせざるをえないのです。